老人ホームは 「暮らす」ところ

昨年末から、老人ホームのモデルルームを

担当させていただいております。

 

一般的には よく 「 老人ホームに入る 」

という言い方をしますが、

私は、老人ホームは 「 入る 」 ところではなく、

「暮らす」 ところだと思っています。

 

 

病院のような しつらえでは

気分も沈みがちになり、元気も出ません。

 

ほっとくつろげて、温かみがあり、

もっと元気になりたいな、楽しいことをしたいな、

と生きる力が湧いてくる雰囲気が

大切だと思うのです。

 
10年ほど前のことですが、私は入院していた際に、

「 いっそリハビリも 入院生活も 楽しもう 」と、

色々と私物を持ち込んで、個室を飾り

アロマを焚いて過ごしていました。

 
初めはとても驚かれましたが、しばらくすると、

「 このお部屋、まるでサロンみたい。

とても気持ちがいいですね。」

と、院長先生や看護師さんが、

よくくつろぎに来てくれるようにまでなったのです。

 

 

そのお話を伝え聞いた 老人ホームの施設長様が

「 老人ホームのお部屋作りを手伝って下さい。」

と、ご依頼下さいました。

 
この方はとてもお年寄りのことが大好きな方で

いつも入居者様のより良い暮らしを考え、

色々と工夫しておられました。

 

 

素敵なインテリアにすれば、

入居者の方はもちろん毎日楽しいですし

ご家族の方も もっと遊びに来たくなり、

コミュニケーションも増えます。

 

そして、スタッフもいい気分で誇りを持って

仕事ができる、と思われたのです。

 

まさしくその通りで、

日々のこと、毎日繰り返す暮し というのは

とても大切で 意味のあること。

 

機械的にただ流れるように過ごしてしまうのではなく

いい気分で過ごせる場を作り

一瞬一瞬を大切に 味わって 丁寧に暮らすだけで

単なる生活が 素敵な人生へと変わるのです。

 

私も以前から 素敵な老人ホームを作ってみたいな、と思っていたので

喜んでお手伝いさせていただきました。

 

 

コーディネートをする際に、大切にしたのは

温かみを出すことと、

五感を刺激することです。

 

入居者の方がその手で触れるもの、見るもの、

耳に入るものすべてを刺激してあげることで、

眠っていた感性は戻ってくると思うのです。

 

 

ちょっと視線に入るだけで

心が少し嬉しくなるような 物をセレクトし

私なりに色々と手を加えて

お部屋を飾らせていただきました。

 

また、アロマを焚いたり、素敵な音楽をかけることで、

お部屋にいい空気も流れます。

見えないこれらは、心の奥にしっかり届き、

必ずいい作用を及ぼすと信じています。

 

入居者様、ご家族様、そしてスタッフの方々が

少しでも 楽しくいい気分で毎日を過ごして下さったなら、

こんなにうれしいことはありません。

 

 

まだまだ学ぶことも多く、至らない点もありますが

これからも 素敵な暮らしをしていただけるように

日々考え、色々とご提案させていただきたいと思います。

 

Natural Sense

田中聖子